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●No,27
演技に於ける「集中」と「準備」について
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「集中」と「準備」についてお話したいと思います。
よく「集中が続かなかった」とか「集中が途切れた」などと言いますが、演技中に於ける集中とはいったい何でしょうか? 「相手の声」でしょうか? 「自分の感情」でしょうか? それとも「自分が言うべきセリフ」でしょうか? 確かに、どれも無視は出来ません。 「相手の声」を聞かないと自分は反応出来ませんし、「自分の感情」が必要なだけ来ているかどうかは重要ですし、「自分のセリフ」を聞く様にしなければ、表現に繋がらない可能性が出てきます。(もっとも、即興の場合は別ですが) 演技中に気にしなければならない事は色々ありますが、敢えて「集中」する対象と考えるなら、それは「具体的なもの」です。 つまり、「五感」で捉えられるものであり、シンプルなものです。複雑なものだと集中が定まらなかったりし、五感による実感が伴わないことになり兼ねないからです。 では、次に「具体的な集中」について詳しく述べていきたいと思います。例えば、“単身赴任した妻子ある男性が、妻子を残して、初めて行く土地でアパートに着いて、家族に電話を掛ける”といった設定のシーンを演じるとします。 そしてセリフも決まっているとします。(即興ではないという意味) こういう場合、事前に準備しておく事と、演技中に集中する事とは違うんです。 準備する内容は、台本に書かれている内容を元に作る人物の背景です。 つまり、その場所にいる理由だったり、家族との関係だったりします。 ちなみに、「家族」というのは「関係」というには大雑把過ぎます。 「関係」とは、自分(キャラクター)が相手の事をどう思っているのか、そして相手は自分のことをどう思っていると、自分は思っているのかという事を言います。 こういった「関係」や単身赴任自体をどう思っているのか、そして赴任先の土地の事をどう感じているのかという事を具体的にしていきます。 そして具体的にした背景を五感で作っていく、といった作業が準備です。 そして演じながら実感が持てないなと感じるところがあったら、その部分を更に作っていくんです。 そうする事で準備が整っていきます。 ただ、背景を作る段階でとても重要なことがあります。 背景を五感で作る訳ですから、当然感情が引き出されます。 つまり、何らかの「感情的な」動きが内面に起きて初めて「準備が整った」と言えるのです。 そして、演じる時に集中することは「準備したこと」を全く意識せずに、具体的にその場で「見えるもの」「聞こえる音」「触れるもの」など五感を通して得られる存在に対してのみ行ないます。 又は、何かを考えていたり、思い出している場合は、考えている内容や思い出している事柄の中の具体的な対象に対して五感で捉え、集中していく事になります。 その結果、事前に準備したものが、必要に応じて(感情として)引き出されていくのです。 |
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